とりわけ小売りや製造、運輸、貿易、企業向けサービスといった分野での離職率が記録的な水準に達した。米国の労働力人口はいまだ20年2月前の水準に戻っていないという。一方で今は、経済活動の再開を背景に多くの産業が労働力を必要としている状況だ。

 ウォール・ストリート・ジャーナルの別の記事によると、21年6月の米国求人件数は、前月から約60万件増の約1010万人となり、統計を取り始めた2000年以降で最高を更新。失業者数950万人を上回った。こうした中、年末商戦が迫っており、小売り・飲食、アミューズメント・レジャー産業などで労働者を奪い合っている。

アマゾン従業員数、数年でウォルマート抜く?

 同紙によると、アマゾンの競合である米ディスカウントストア大手のターゲットは10万人の季節労働者と約3万人の倉庫従業員を募集している。アマゾン最大のライバルである米小売り最大手ウォルマートは米国で約160万人の従業員を抱えるが、年末商戦に向け15万人を追加雇用したい考え。

 アマゾンの世界従業員数は21年6月末時点で133万5000人(季節労働者、期間従業員を除く)。同社は依然として物流網の拡大を進めている。採用がこれまでのペースで推移すれば、世界従業員数はあと数年でウォルマートを上回ると予測されている。

 (参考・関連記事)「巨大化止まらぬアマゾン、新たに12.5万人採用 | JDIR