100以上のアパレルPB展開、高級ブランドも販売

 アマゾンが、アパレルのPB商品を初めて立ち上げたのは16年。今では「Goodthreads(グッドスレッズ)」や「Lark & Ro(ラーク&ロー)」など合計100以上のPBを展開している。

 最近では、高級ブランドの販売にも力を入れている。20年には米国で高級ファッションデザイナーの商品に特化したアプリ内ストア「ラグジュアリー・ストア」を開設。第1弾としてオスカー・デ・ラ・レンタの既製服やハンドバッグ、宝飾品、香水などを販売した。

 だがアマゾンの販売手法は、高質なショッピング体験や厳選したデザイン、ブランド力を駆使して消費者に訴求するファッション業界のカルチャーと逆行するという。アマゾンは自社に足りないものを補うため、サブスクリプション(継続課金)方式のパーソナルスタイリストサービス「Personal Shopper(パーソナル・ショッパー)」を提供するなどして対抗してきた。だがそれでも衣料品のネット通販に抵抗感がある顧客は少なくないという。

 アマゾンの百貨店開業計画は、新型コロナによる外出規制が緩和され、顧客が店舗に戻ってきたことも背景にあるとウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている。

 米百貨店大手メーシーズが先ごろ発表した21年5~7月期決算は、売上高が前年同期比58.7%増の56億4700万ドル(約6245億円)だった。同業のコールズの21年5~7月期決算は、売上高が同30.5%増の44億4700万ドル(約4920億円)。ロックダウンや外出禁止令で衣料品の購入を控えていた顧客が、経済活動の制限緩和に伴い実店舗で買い物するようになっている。

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