グーグルは大半の社員が自宅勤務とオフィス勤務を組み合わせて仕事をするハイブリッド型勤務体系の導入を計画している。そのうえで、スンダー・ピチャイCEO(最高経営責任者)はオフィス勤務の重要性を指摘している。同氏は3月、「社員が集まり対面で共同作業しコミュニティーを築くことがグーグルの重要な企業文化であると考えている」とし、米国内のオフィスに大規模投資する考えを示していた。
アマゾン、第2本社計画着々と 経営破綻した百貨店ビルも取得
米アマゾン・ドット・コムも対面共同作業の重要性を強調しており、オフィス拡張計画を進めている。
同社は21年2月、バージニア州アーリントンで開発を進めている第2本社(HQ2)の第2工期計画案を公開した。ここに3棟の22階建てオフィスビルと約107メートルのオフィスタワーを建設する計画で、これとは別に2棟の22階建てオフィスビルを建設中だ。同社はこれらアーリントン地域で今後10年間に2万5000人を雇用し、25億ドル(約2700億円)を投資する。
アマゾンは21年1月、マサチューセッツ州ボストンの技術開発拠点を拡大し、数年で3000人超の従業員を新規採用するとも発表。こちらは、総面積約4万平方メートル(東京ドームほぼ1個分)の17階建てビルを建設中で、年内に完成する予定。
20年9月にはアマゾンの本社があるワシントン州シアトル近郊のベルビュー市で、数年かけて1万人を新規採用すると明らかにした。これに伴い42階建てのオフィスビルと3棟のビルが建つ商業地区を賃借する。
このほか、20年8月にはニューヨーク市やテキサス州ダラス、アリゾナ州フェニックスなど米6都市でオフィスを拡大すると明らかにした。このうちニューヨーク市では米連邦破産法11条の適用を申請して経営破綻した老舗百貨店ロード・アンド・テイラーのビルを取得。総面積約5万8500平方メートルのオフィスに転換する計画だ。
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