浜松市が「スーパーシティ構想をけん引する」
ここまでに紹介したさまざまな取り組みにより浜松市が目指すのは、同市の特徴を生かしながら、国が進める『スーパーシティ』構想の重要拠点になることだ。
スーパーシティ構想とは「住民が参画し、住民目線で、2030年ごろに実現される未来社会を先行実現することを目指し、生活全般にまたがる複数分野の先端的サービスの提供、複数分野間でのデータ連携、大胆な規制改革をポイントとする」構想のことであり、浜松市は2021年4月、国のスーパーシティ型国家戦略特別区域の指定に応募。「Well-beingスーパーシティ」の実現を目指している。
「浜松市は、全国の自治体が抱えている地域課題の全てを網羅しています。当市の『Well-beingスーパーシティ』では、多様な実証実験フィールドである国土縮図型政令指定都市のもと、健康寿命日本一、ものづくり力という強みを生かしながら、市民の生活の質の向上を実現。“健幸”に暮らせる街をつくりたいと考えています」
具体的にはさまざまな分野の先端的サービスを実現し、身体の健康と経済の健康により幸せを感じられる都市にしていくことを目指す。例えば、医療であれば、中山間の医療過疎地域において診療・服薬指導をオンラインで行い、薬も診療所から患者宅までドローンで届ける。移動診療車を使った遠隔医療の実証実験も行っている。
「先端的な取り組みを実現可能なものとし、同時にそのモデルを全国に広げていくには、大胆な規制緩和が必要です。そのため、国との連携も深めていき、今後もデータの力を最大限活用し、都市の最適化と市民の生活の質の向上を目指していきます」