デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めることは今の日本とって喫緊の課題だが、実際、DXが進んだ社会とはどのような感じなのだろうか? スイスのIMD(国際経営開発研究所)が調査・発表をしている「世界デジタル競争力ランキング2020」で5位になっている香港の実例を紹介しつつ、日本との違いを解説したい。
IMDよれば、調査した63の国・地域で1位に輝いたのはアメリカだ。2位シンガポール、3位デンマークがトップ3。デジタルのテクノロジーを駆使して新型コロナウイルスの感染を抑え込んだことで知られる台湾は11位。日本は前年より4ランク下がって27位と、G7の中では最下位という厳しい結果。日本国民が技術立国を自負していることを考えると悲しい結果となっている。
世界と比べて、日本のDXが周回遅れになった理由はいろいろな人が評論しているが、最近もこのことを痛感せずにはいられない経験をした。それは、日本で取材を申し込もうとしたところ、香港では2010年にはほぼ絶滅したファックスで依頼状を送ってほしい言われたこと。筆者は香港と日本を行き来しながら取材活動をしているが、香港と比べて日本が遅れていると感じることは幾つもある。