メッセージの内容をよく考え、適切な「例え」と「例えば」を織り交ぜる
ここで私が主張したいことは、「マネジャーたるもの饒舌であれ」ということではない。「マネジャーたるもの、よく内容を考えて、考えたことが伝わるようにメッセージを発信すべし」ということだ。
「私が具体的なことまで言ってしまうと現場が考えなくなってしまう。だから、あえて詳しくは言わないのだ」という人もいるが、おそらく体よく逃げているのではないだろうか。
そういうマネジャーは、自分の力を過信し過ぎで、かつ、現場の能力や意欲を低く見過ぎだと思う。さらにいえば、おそらくメッセージの発信側にも、具体的なイメージがないことが多いのではないだろうか。
よく考えた内容をメッセージにする場合は、抽象的な話だけでなく、適宜、例示を織り込むことが重要である。例示には、「例え」と「例えば」の2種類がある。「例え」は、メタファー、アナロジーの類で、何かに例える、なぞらえることで、「例えば」は具体的な例を挙げて伝えることだ。
この「例え」と「例えば」を使って話をするときには、その例示する内容、話のネタをあらかじめ、よく吟味した上で厳選のネタを使うようにすべきである。
話をしているときに適切な例示を思い付けることも、まれにはあるだろうが、そうそうよい例示がとっさに話せるものではない。あらかじめ、メッセージの内容を伝えるのにふさわしい例示をよく考えて準備しておくことが大切である。