組織構造を変えるときこそ、コミュニケーションが重要
今回は、研究開発組織のマネジメントにおける"組織変更"について書いていこう。
組織構造についてよく聞かれる質問の一つに「製品別組織がいいのか、機能別組織がよいのか」がある。さらに言えば(少しディメンジョンが違ってきますが)マトリックス組織、ネットワーク組織、プロジェクト色の強い組織の方がいいのかなど、組織の望ましい構造はなにかというのは、昔から経営者・マネジャーが悩みごとの一つになっている。
組織形態には、それぞれメリット・デメリットがあり、唯一絶対的にこれがいいというものはない。内部・外部の状況を鑑みて、そのとき、その組織に適した構造をとることが経営者や上位マネジャーの仕事である。
時々、組織構造を変えることで、程度の差はあれ、新たに生じるデメリットはあるため、悩ましいところは確かにある。
しかし、組織を変えるとは、デメリットを認識した上で、リスクがあってもメリットをとる意思決定にほかならない。皆さんの組織構造の過去を振り返ってみても、組織は行ったり来たり、振れながら変遷してきているのではないだろうか。それは振り子を振っているというようにも捉えられるし、らせん状に成長を繰り返しているというようにも見える。
結局のところ、組織は揺らぎながら、維持・成長するものなのだ。組織を変える権限のある人は、変えるべきだと直感したら、思い切って舵を切る。ずっと、これまでのままでいいわけではない。まさに、舵切りであり、舵取りなのである。