マーケティング組織5世代モデルと日本企業の現状

 マーケティング組織は、世代が5つに分かれます。まず第1世代はマーケティング機能が分散した状態です。それを一つの組織に集約した状態が第2世代。ここでは、マーケティング活動の貢献度は、数値では見えていない状態です。

 これが第3世代になると、マーケティング戦略の優先順位や方向性が明文化され、マーケティング施策が売り上げや案件にどの程度貢献したのかも把握できている状態になります。第4世代は、新規取引客を創出するだけでなく、既存のお客さまにデジタルでアプローチし、営業がタッチできない分野に対してデジタル接点を先につくる手法ができている状態です。

 第5世代は、お客さまを軸としたときに、誰が、いつ、どのような接触をしたのか、過去にどのような取引があったかなど、IoTデータの中身も含めて全て可視化できている状態になります。

 日本国内で見ると、いまだに第1世代が9割です。これから第5世代を目指すべきですが、その際には、最終的にお客さまにとってどういうコミュニケーションがベストなのかを議論することが重要です。

 下の図は、マーケティングという組織名を持っているか、5000社の企業を分析した結果です。左は部署設置率を業種だけではなく、資本金と掛け合わせたもの、右が売り上げ区分と掛け合わせたものです。

 マーケティング組織をどこに立ち上げるのか。マーケティング本部なのか、事業本部の中のマーケティング部門なのか。立ち位置に応じて目指すゴールも変わってきます。

 マーケティング組織には委託型と協働型があります。マーケティング本部組織では、例えば各事業部の要望に応じてツールやフレームワークを提供するなど、委託型になりがちかと思います。事業本部では、事業目標や数字目標を持っており、自分たちのマーケティング活動が事業全体のうち、どのくらいの貢献度なのかを数字で押さえていかないと、なかなか成果の出ないマーケティング組織になってしまうと思います。