金融サービスのセキュリティ向上に何が必要か

Fintech協会がセキュリティ分科会を発足

栗原 雅/2021.1.12

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セキュリティを高めるにはまず技術情報の入手から

肥後 枠組み作りと並行して、不正防止技術の理解を深める活動もしていく予定です。当協会には不正防止に役立つ技術の提供や普及を推進するスタートアップ企業も参加しています。そうした企業が持つ技術を知ってもらい、セキュリティの底上げに貢献したいと考えています。

 まずはセキュリティ対策の情報に接して理解を深められる機会を創出しようということで、昨年10月半ばには最初の勉強会を開催しました。具体的には、セキュリティ対策のリスクベースアプローチや、サービスの設計段階からプライバシー保護の施策を踏まえておく「プライバシー・バイ・デザイン」の識者を招き、講義してもらいました。

木村 東京都内にいるといろいろな情報があふれ、必要な情報は簡単に手に入ると思ってしまいがちですが、実務的なセキュリティ対策や考え方の情報に触れられる機会は案外少ないのです。手段を知らないために適切なセキュリティ対策を講じられないというケースは、実はたくさんあります。裏を返すと、分科会活動を通してセキュリティ対策に役立つ情報に接する機会を設けるだけでも、金融サービスのセキュリティの底上げ効果が期待できます。

 もっとも、セキュリティに対する理解を深めて対策を講じても、安全性を高めるだけとも言えます。それだけで、フィンテックの利用者や金融機関などに安心してもらえるわけではありません。安心感を持ってもらうには、フィンテック企業がセキュリティ対策の底上げと高度化に向けて活動している事実を対外的に発信していくことも重要です。Fintech協会がセキュリティ分科会を発足したことは、安心感の醸成にもつながると考えています。