若手のアイデアにポンと2億円出せますか?

ソーシャル時代のものづくりの突破口とは

JBpress/2020.12.11

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※本コンテンツは、2020年11月19日に開催されたJBpress主催「第1回 ものづくりイノベーション」の特別講演「不確実さを増す、コンシューマー向け“ものづくり”業界のイノベーション戦略」の内容を採録したものです。

株式会社Shiftall(シフトール)
代表取締役CEO
岩佐琢磨氏

メーカーは消費者の多様で変わる嗜好に対応できない

 Shiftallは、パナソニックのグループ会社で、IoT分野のユニークな家電製品を開発している。代表取締役CEOの岩佐琢磨氏は元々パナソニックに勤務していたが、2008年に、ものづくりベンチャー企業のCerevoを起業。その後2018年に、再び分離独立する形で新会社Shiftall(シフトール)を設立、全株式をパナソニックに売却して再び、同社に合流したという経歴を持つ。いわば古巣に戻った格好だ。

 このように働く場は変わっている岩佐氏だが、進める事業ドメインは2003年ごろから変わっていない。「インターネット×ハードウェア」、今でいうIoTの領域の製品開発を17年間続けている。

 その岩佐氏は、大企業もスタートアップも知る立場から、日本の製造業の課題とその解決策について、こう説明する。

「コンシューマー・テック業界は、異常気象が続く地球のようだ。最近は、夏から秋になったと思えば異様に暑い日が続いたり、真冬並みの寒さだったりと、秋らしい日がないまま冬が来る。コンシューマー・テック業界も同じように、予想していたことと全く違うことが起こることが、当たり前になっている」

 1年前、2年前の常識が通用しないのが日常茶飯事となる中、「なぜそうなったのですか?」と周りから聞かれることも増えたという岩佐氏。そんなとき、岩佐氏は「インターネットが世界を加速させ、ソーシャルメディアが趣味嗜好を多様化したから」と答えるという。

「TikTokなどは、特にレコメンデーションエンジンが優れていて、まさに自分にぴったりのコンテンツをお薦めしてくる。世界中から、自分の趣味、好みにあったものが手元に届けられるわけだ。こうしたことが起きると、画一的な情報への関心が薄れ、趣味嗜好が多様化していく。その結果、サービスを提供する側としては先が読めなくなる」

 岩佐氏はコロナによって、この流れがさらに加速すると断言する。「従来は、大手メディアと消費者が1本の線でつながっていたがソーシャルメディアの時代は、人と人、人とスタートアップ企業などが網の目のように直接つながっていく。あなたの周りでもコロナ禍で急に『YouTubeチャンネル始めたよ』という人がいるかもしれない。そうしたことが世界中で爆発的に起こっている」