テレワーク推進に向けた3つの論点

―― 最後に、企業がテレワークの取り組みを進めるにあたり、社内で議論しておくべき点を教えてください。

田宮氏 1つ目は、労務管理。在宅ワークではオンとオフの切り替えが難しいからこそ、労働時間の把握や長時間労働の抑制が大切です。2つ目に、IT環境整備やセキュリティ。自宅のWi-Fiルーターを使う場合の費用負担や、セキュリティ対策の再考が求められます。3つ目は、コミュニケーションと評価の視点ですね。適切なマネジメントをする上では、どのようにコミュニケーションの方法を確立して、どんな観点で評価をするのか、明らかにする必要があります。

 この中で経営層の方々に意識していただきたいのは、勤怠管理です。例えば、育児や介護で日中に仕事ができなかった方が夜、あるいは休日に仕事をしようとすると、残業や休日出勤に該当するはずです。柔軟性を担保するためにフレックスタイム制を導入していたとしても、コアタイムの見直しを行う必要性が出てくるかもしれません。

 こうした点を十分に議論した上で、在宅勤務やサテライトオフィス勤務をケースバイケースで選択できるようにしていくべきです。「テレワークを導入すると従業員の生産性が落ちる」といった声もありますが、当然、何の準備もせず在宅勤務だけを実践しようとすれば、生産性は一時的に落ちます。生産性を高めるために、いかに移動時間や通勤時間の無駄をなくすか、いかに自由に働く場所を選べるようにするか、といったことがテレワーク本来の論点です。

 今後もテレワークの重要性は高まり続けるはずです。だからこそ、テレワークで課題に直面したのであれば、そこで得られた学びを次の取り組みに生かしてもらいたいと思います。