ものづくりの基盤となる問題解決力を強化する
不確実な環境下で最も重要なことは、ものづくり基盤の強化である。問題の再発防止、未然防止、新製品の一発良品立上げ、量産品の直行率100%など、現場の能力が高ければ、あらゆる変化に即応することが可能になる。
ものづくり基盤の強化は、どんな環境においても必要な能力で、環境が変化しても無駄になることはない。現場の問題解決能力が高いことが、柔軟対応を促進し、競争力向上を構築することになる。設備自体はお金を出せば、他社と同様の機能を保有できるが、ものづくりの基盤は、人・組織・体質の変革が生産レベルを高めることにつながるため、模倣しにくい。これこそが本当の意味での競争優位性といえる。
問題解決力は生産技術部門、製造管理者などの一部の人を強化すればよいというわけではなく、製造部門の全員が、それぞれの役割を認識し、問題解決を推進することが重要である。製造部門長だけではなく、管理者、現場の担当者までが一体となって取り組まないと、厳しい競争に勝つことは難しい。
製造部門長は勝てる戦略を「絵に描いた餅」にしないためにも、部下と目指す姿を共有し、戦略の意図を理解させ、具体的な行動計画に反映する必要がある。
そのためのポイントとしては
①広い視点で将来の事業環境変化を見据える
②ボトルネックとなる経営課題を整理する
③勝てる戦略を立案して成果に直結する業績目標を設定する
④達成するための個別成果目標に展開していく
である。
有効施策を検討する際には、これまでの方法をゼロベースで最適な方法は何かという視点で検討することが求められるため、妥協することなく、「ありたい姿」「あるべき論」を部下に問い掛け、生産革新を推進する。