■ステップ1:情報を分析する
 情報分析は、最初にバリューストリームマップを作成し、情報やモノの流れを整理して、「どこ」に「どのような」問題があるのかを考える。

 今後、どのような環境変化が想定され、自社およびサプライチェーンにどのような影響を与えるかを予測した上で、既存顧客の潜在ニーズの変化・新規顧客獲得の可能性・顧客の要求事項・要求レベルを検討する。

■ステップ2:目指す姿の検討と目標の設定
 次に、自社の目指す姿を検討し、顧客ニーズを満たし競合に対して圧倒的な競争優位性で勝てる挑戦的な目標を設定する。目指す姿は、既存の枠組みだけではなく、垂直統合や水平統合など広い視点から検討することが重要となる。

 垂直統合では、機能を自社(自工場)に集約することで、工程間の滞留や物流期間を改善し、リードタイム短縮や製造拠点間移動の物流コストを削減が可能となる。また、設計仕様面からの問題解決アプローチによる品質向上につなげたり、重複する検査や作業を削減し大幅なコストダウンを実現を検討する。

 水平統合では、各製造拠点や各社で製造していた製品を拠点集約することで設備稼働率向上を図り、共同物流や共同購買、共通設備メンテナンスについて、効率的な運用ができないか検討する。

 目指す姿の実現に向けた「勝つための戦略」の策定は、ターゲットとする顧客に対して、何の価値(サービスや製品・部品)をどのように提供するかを決めることが重要となる。どこの製造拠点で、どんな技術・設備を使い、どの人材・材料を使用すべきか、競争優位性につなげるための最適値を駆使し、製品やサービスを提供する必要がある。

■ステップ3:柔軟性を持った意思決定を
 不足する経営資源の強化は、自社の能力向上を図ることに加えて、外部リソースの活用も含めて検討することがポイントとなる。何を自社のコアとして競争優位性を構築するかを考え、スピード感を持って対応するためには、社外との連携やM&Aなども検討し、意思決定することが重要である。

 また、不可逆性を考慮しつつ迅速に決めることもポイントで、意思決定を躊躇している間に事業環境が大きく変化し、気が付いたら手遅れということにならないように、スピード感を意識し、タイミングよく意思決定すべきである。

 リスクを最小限にとどめながら最大効果を出すためには、思い切って意思決定するが、頻繁な変化への対応も十分に考えておく必要もある。大きな投資をする際には、常に不確実な環境、不可逆性を考慮し、周辺の環境を注意深く観察しながらアクセルとブレーキのタイミングを見極め、前に進むことが重要となる。