連載「ポストコロナのIT・未来予想図」の第7回。経済のデジタル化・DXは、個人情報やデータの取り扱いを巡る各国間の意見の相違に行き着きやすい。この問題について、国際会議での経験の長い元日銀局長・山岡浩巳氏が解説する。
前回は、現在世界の注目を集めている中国のデジタル人民元(DC/EP)の計画について、中国当局はデジタル人民元に現金同様の匿名性を与えるつもりはなく、むしろ必要に応じて取引を把握できるようにするという目的を明らかにしていることを説明しました。
今回はこの問題をさらに広げ、経済のデジタルトランスフォーメーション(DX)と、プライバシーや個人の尊厳との関わりについて述べたいと思います。