デジタルで既存資産を活用し未来を作る

IT企業から製造業に転身したデジタル推進役の挑戦

CDO Club Japan/2019.8.13

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ヤマハ発動機フェローの平野浩介(ひらのこうすけ)氏。1983年大阪市立大学工学部を卒業しインテル株式会社に入社。2012年インテル株式会社常務執行役員に就任し事業開発を担当。2017年4月よりヤマハ発動機株式会社フェロー。新事業開発本部、先進技術本部、IT本部、企画・財務本部にてデジタルトランスフォーメーションを担当。

 最初の所属が新事業開発を行う本部だったので、農業や医療などの分野で、サービスとして提供するビジネスモデルの開発にも関わりました。弊社はとくにものづくりが強いので、製品を作ってそれを売る、というビジネスモデルが多いのですが、これはもったいない。マシンを単体で売るのではなく、サービスとして展開してはどうかと、入社直後からだいぶ意見を言いました。

既存事業の強化と新たなビジネスの共創を

 2018年はじめにはデジタル戦略部という組織を作りました。今を強くする(既存事業をデジタルで強化する)、未来を作る(顧客と新たなビジネスを共創する)という2つの目的を持っています。どちらもトップライン、つまり売り上げや事業規模の拡大に貢献するもので、このためにはデジタルが必要です。

 デジタル領域を加速するために、ヤマハモーターアドバンストテクノロジーセンター(YMAT)という組織も設けました。本社(静岡県磐田市)とは離れた新横浜の「出島」で新しいことをやろうというわけです。

 ここの主な機能はデジタルマーケティングとデータ分析です。DMP(データマネジメントプラットフォーム)やソーシャルリスニングなどを使ってマーケットデータを分析します。またデータ分析は主に工場系です。装置から得られる圧力や温度などのデータを、効率的な生産に生かすためです。

――かなり幅広く手掛けられていますね。

 現在はアドバイザー的な立場で、直接事業を動かすわけではないので、結果を出すのはどうしても時間がかかる面はあります。ただ、社内のいろいろなところに行っていろいろなことを言えるというメリットもありますね。

 ここまでお話ししたのはどちらかというとトップライン(売り上げ)に結び付くことですが、それ以外に、ボトムライン(利益)の向上策にも手を付けました。