富士通が2018年10月に開設した富士通アジャイルラボ(東京都・蒲田)

 日本国内でアジャイル開発、PoC開発、DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する部隊を拠点化する動きが活発化している。「アジャイルラボ」「デジタルセンター」などと呼ばれる場所を作り、そこで顧客と一緒になった「ビジネスの共創」を目指そうという取り組みである。

 その事例として、「KDDI DIGITAL GATE(KDDI)」「富士通アジャイルラボ(富士通)」「Agile Studio Fukui(永和システムマネジメント)」の3拠点を紹介する。それぞれの所長にインタビューを行い、取り組みの狙いや施設の特徴などを語ってもらった。第2回は、「富士通アジャイルラボ」を立ち上げた中村記章さんに話を聞く。(第2回/全3回、聞き手は平鍋健児:永和システムマネジメント代表取締役)

(第1回)「5G時代のビジネス開発拠点を開設、KDDIの狙いとは」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54456

アジャイル開発の全ノウハウと技術を集約

──富士通は2018年10月12日に都内に「富士通アジャイルラボ」を立ち上げました。この場所の狙いについて教えてください。

中村記章氏(以下、敬称略) DX時代の到来により、ビジネスアジリティを求めるお客様の声が多く寄せられています。その期待に応えるためには、ビジネス環境の変化に応じて柔軟に変更できるICTシステムと、日々刻々と変化するシステム要件にスピーディーに追従できるシステムエンジニアリング手法の確立が必要不可欠です。

 その意味で、リーンスタートアップやアジャイル開発は、まさにDX時代のニーズに合致したシステムエンジニアリング手法と言うことができます。私たちは、これまでの「基幹システム」(SoR)領域および、製品やサービスを革新して新ビジネスを創出する「つながるシステム」(SoE)領域の両面で支援していますが、とくに後者には必須のやり方になっています(下図)。

──まさに、新しいエンジニアリング手法が生きる時代が来ているということですね。

中村 はい、そう感じています。ただし、その価値を高めて適用効果を最大限に引き出すためには、そこに関わる全てのステークホルダーがリーンスタートアップやアジャイル開発を正しく理解し、実践を通じて使いこなせるようになることが求められます。