人工知能面接がもたらすもの

日本でも徐々に盛り上がりを見せ始めているHR Techだが、米国ではすでに企業価値10億ドル超えのユニコーン企業が登場するなど、その大きな可能性に注目が集まっている。

その背景には、生産性向上の追求や人材確保・育成における課題感があるといえる。とくに日本においては少子高齢化社会を迎えるにあたり、自社にマッチした若い人材の確保は喫緊の課題になりつつある。

採用においては、いかに多くの採用機会を設け、効率よく選考を進めるかが鍵となってくる。そんな中、AIやビッグデータ解析に基づく選考が注目されているのだ。冒頭で挙げた「SHaiN」もそんな採用を支援するHR Techの一つ。導入することにより、以下のようなメリットがあるとされている。

●採用活動にかかる労力・コストの削減
従来の一次面接に費やしていた時間と労力を、人間にしかできない採用活動業務(候補者の動機づけなど)にあてることができるため、採用の質・量を向上させられる。

●採用基準の統一化
人間による採用活動で課題視されがちな“評価のばらつき”を改善し、採用基準を統一することが可能に。応募者は面接官の外見や態度に影響を受けることがなく、採用企業も面接官の個人的な印象や経験則で判断されないため、公平な採用面接を実施できる。

企業に学生を送り出す大学側では、こうした動きに対応する就職支援を開始したところも現れ始めている。帝京大学では「SHaiN」を試験導入し、学生120名に対してAI面接プレ体験会を実施。これは、
・学生の資質のさらなる向上
・進路決定に伴い、より本人に合った企業選び
・教職員の指導レベルアップ
を図るためのものだという。将来的にはAIに大学が持つデータをより多く学習させることで、学生の特徴や長所・短所を明らかにし、低学年次のキャリア教育科目の授業にも活かしていくとのこと。

帝京大学では「SHainN」を試験導入した

しかし一方で、面接を受ける就活学生からは反対の声があがっているという。就職情報サイトのディスコが行なった2019年卒業予定の学生に対する調査(2018年3月7日発表)によれば、「AIに面接試験の合否を判定される」ことについて、7割近く(67.5%)が「よいと思わない」「まったく良いと思わない」と回答したという。

このギャップは、今後HR Techの活用が本格化していくなかで課題となることだろう。