100カ国で100台売る、グローバルニッチを目指す

自社製品を通して、未知の使用感をユーザーに届けるCerevoは、経営戦略として“グローバルニッチ”を掲げている。グローバルでニッチとは、相反する言葉に思えるが、どういう戦略なのだろうか?

「ニッチな需要を抑えて100カ国で100台売るというのが、僕らの目標です。そのため、アイデア出しの時点でグローバルを見据える必要があります。特定の国に依存するようなものや、国ごとに仕様が異なるものは、基本的に避けるようにしています。市場の最初を切り開いていく商品なので、世界中のマニアやニッチな需要を切り取っていくしかないので、ニッチなものだからこそグローバルにならざるをえないという部分もありますね」

現在、Cerevo製品は5割が岩佐氏のアイデアで、残りが社内と社外からの持ち込み企画が2割5分ずつ。なかには、いいアイデアだとしても、ひとつの国でしか売れないとなれば製品化を断念することもあるという。

「たとえば、今の技術でカーテンの開閉を自動化する製品を作ることもできます。しかし、カーテンレールの形状が国ごとに異なっているうえ、とくに日本のカーテンフックは特殊な形をしているため、グローバルになりにくいなど、会社としてGOが出せるかどうか、突き詰めて考えたうえで開発を始めます」

さまざまな可能性を考慮し、生み出されるCerevo製品。近年では、社外とのコラボレーションとして開発されるものも増えてきたという。

例えば、同社が進める映画やアニメなどの世界に登場するアイテムを、現実世界で再現するS2R(Screen 2 the Real)プロジェクトシリーズだ。第一弾では、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』に登場する“携帯型心理診断鎮圧執行システム”のドミネーターを再現したスマートトイ。

「ドミネーターはもともと、コンテンツプロバイダー側からの持ち込みに近い企画でした。僕らの技術を使えば、作中のドミネーターと同じように自動変形機構を搭載できるスマートトイが作れる、というお話をしたところ興味を持っていただいて実現した商品です」

ドミネーターは発表直後から話題を呼び、今も順調に売れ続けている。先日、アメリカのロサンゼルスで行われたAX2017-Anime EXPO2017-に出展したCerevoのブースは、作品のファンで賑わったという。

AX内のCerevoブース。熱心に写真を撮るファンが印象的だ

「即売のイベントでも売れ行きが好調でした。とくにアメリカは、日本に比べてコスプレ文化に対する造詣が深く、その部分にハマったようです」

海外のマニア層にハマる、同社が掲げる“グローバルニッチ”を体現した商品となった。そんなドミネーターに続く、S2Rプロジェクト第2弾『1/8タチコマ』についても、現在予約注文が殺到しているという。