ソニーが発表した新しいトイ・プラットフォームである「toio(トイオ)」。2017年12月1日の発売を控えている本製品は、発表と同時に予約販売をスタートしたところ初回限定セットが即日完売したという。
さまざまな玩具を組み合わせることで、遊びを通じて創意工夫を楽しめるのがtoioの特徴だ。1つのセットにはモーター内蔵で動き回る小型ロボットである「toioコアキューブ」が2台、「toioコンソール」にコントローラーともなる「toioリング」が2台つながる形となっている。
このほか「toioタイトル」として、プログラムが入っている専用のカートリッジと玩具、toioコアキューブを乗せて遊ぶためのマットやカード、本が用意され、これを使って遊ぶこととなる。とてもユニークな製品なのだが、果たしてなぜこの製品は生まれたのだろうか。開発を担当した同社の新規事業創出部TA事業準備室 統括課長の田中章愛氏に、その経緯について伺ってみた。
――toioの開発のきっかけをお教えください
5年ほど前にソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)で新しい遊びの形を研究していたんです。当時、次世代のゲーム、インタラクションの研究をしていたアンドレ・アレクシーと、ロボット研究していた私の間で、新しくソニーらしい製品を何か作れないかということを雑談したのが開発のきっかけですね。
あくまでも自発的に研究を始め、その後しばらくはソニーCSLでの研究活動だったのですが、その後、技術的にも目途が見えてきたし商品としても面白いものが作れそうだったので、社内オーディションに応募して優勝したことから製品化が決定しました。
――作り上げていく中でのご苦労は何かありますか
一番大変だったのは、最初は自分でも自信がなかったことです。自信がないものを前に進めるのは大変だなと。そこは当初はユーザーであるお子さんたちに触ってもらったり、開発の後半ではタイトルの開発を担当してくれた「ピタゴラスイッチ」で有名なユーフラテスさんに見てもらったりと、とにかくいろいろな人からのフィードバックをもらって進行してましたね。それがないと常に自信がなくて不安ばっかりですから(笑)。
今回おもちゃショーで発表して、予想を超える反響を頂いているんですが、そういう反応になるとは全然思っていなかったので。直前まではすごく不安でした。