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コミュニケーション
2017.02.27

大辻雄介の「教育のIoT思議」 第10回:「教育のICT活用」をすすめる3大要素
教室の中の“面白い”をIoTで発見する

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教育のICT活用化に大切な3つのこと

教育業界へのインパクトも含めて渋谷区のタブレットPC導入は英断と言えます。まず何より「学習用に1人に1台整える」という意気込みが重要です。まだまだ「タブレットPCで本当に学力が向上するのか」と尻込みしている教育委員会も少なくありません。

そもそもタブレットPCをはじめ多くのICT機器はあくまでツールに過ぎないのであり、学力向上を担保するような役割ではありません。まずは設置する、そこから先にさまざまな活用方法が見えてきて「学力が向上するような使い方」もあれば「そうでない使い方もある」と議論を一歩先に進めるべきでしょう。

「教員がタブレットPCをうまく使えるのか」と訝る教育委員会や自治体もありますが、モノがない状態でどうやって活用スキルの向上が見込めるのでしょうか。先生がたがうまく使えるようになるためにも「まずは設置する」ということが重要事項の一つ目です。

2つ目は「技巧的な活用方法ばかり教員に求めない」ということです。協調学習やアクティブラーニングでの活用などポテンシャルが高いタブレットPCですが、そういった活用は合わせて大型液晶ディスプレイや電子黒板など、さまざまな機器を同時に使いこなさなくてはならず教員に大きな負荷がかかります。たくさんの研修も実践しなくてはならないでしょう。

しかしまずは「ブラウザで調べ学習」「ドリルアプリで朝学習」など、出来るところから始めてみればいいと思います。「たくさんの予算をかけたのだから……」と自治体や教育委員会が過度な期待をして、使いこなせなかったら批判するという構造は誰も幸せになりません。教員だって「だったら今まで通り黒板でやらせてくれよ」と思ってしまいます。

またタブレットPCの活用を強制してしまうと、教員からその手法に対する反発もでてきます。職員室はICT活用についてネガティブな言葉が行き交い、どんどん心象が悪くなるのがオチですから、いっそのこと活用方法は自由にしたほうがいいでしょう。教員個々の判断で慣れてきたころに技巧的な活用の研修に参加すればよいのです。

協調学習ができるウェブアプリ「SchoolTakt」

教室に在るモノがネットにつながれば、どんなことが出来るのか

3つめは、やはりIoTです。タブレットPCの活用だけに視点を置くのではなく、「教室にいま在るもの」のインターネット接続が重要です。最近では忙しいサラリーマンのために「トイレのインターネット化」が始まりました。オフィスビルでトイレの空き状況が確認できることと、不審なレベルで長居していると管理者に連絡する機能があるそうです。

今まで見逃していった当たり前のモノがネットにつながれば、どんなことが出来るのか。この考えを巡らすと、教室には面白いものがたくさんあります。この連載の中では掛け時計のIoTを紹介したことがありましたが、それだけではありません。

生徒たちの赤ペンをIoT化することで「宿題でちゃんと答え合わせまでしているか」をデータにできます。このように生徒個々の学びを可視化する方法はいくらでも探せるのです。

子どもたちが大人になって働くころには、我々が想像しえないインターネットデバイスが登場しているでしょう。既に「働く環境」にはコンピューターは必須の時代です。それにもかかわらず「学ぶ環境」である教室にコンピューターが不在であることをさびしく思います。未来を生きる子どもたちのためにも教育のICT活用はもっともっと進んで欲しいですね。

<プロフィール>

大辻雄介

大手進学塾・予備校に勤務したのち、ベネッセコーポレーションでICTを活用した教育の事業開発を担当。日本初の無料インターネット生放送授業を行い、当時最大15,000人が同時に受講した。その後、隠岐にある海士町へ移住し、隠岐國学習センターの副長として日々生徒の指導を行う傍ら、島のICT活用を推進している。海士町から離島中山間に遠隔授業を配信しており、リクルート「スタディサプリ」数学講師、ベネッセ「受験算数ウェブ授業」算数講師もつとめる。2016年度、島根県情報化戦略会議委員。

テレビ東京系列「クロスロード」2016年10月8日(土) 出演

 

JBPRESS

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