教育のICT活用促進において「小規模校のほうがタブレットPC導入は進みやすい」と教育関係者では頻繁に言われてきました。その主な理由は「小さな自治体のほうが動きやすい」「予算規模が小さくてすむ」などが挙げられますが、とうとう大型導入のニュースがはいってきました。渋谷区の全小中学校の生徒と教員に一人一台タブレットPCを渡す、ということです。

渋谷区の全小中学校にタブレットPC導入

『1人1台』を一気に成し遂げるだけでなく、この取り組みには大きな特徴が2つあります。

①LTEモデルであり、学校という限られた場所だけでなく何処でもネットにつながること
②「タブレットPCの持ち帰り」を視野に入れており、授業だけでなく家庭学習でも使用可能であること

まずは①についてですが、多くの学校ではWi-FiモデルのタブレットPCを導入しており校内LANにアクセスして「教室でつかう」ことに限られています。それでも手軽に「ブラウザで調べる」「ドリルアプリを朝学習で活用する」など多くのメリットはあるのですが、協調学習(生徒個々の意見を可視化して闊達な意見交換を行う授業)などの技巧的な授業を実践するためには教員の研修がまだ追いつかず、実践が普及しているとは言えません。

つまり場所が教室に限られてしまうことで、タブレットPCのポテンシャルが発揮できていないケースがあるのです。