ベネッセホールディングス 常務執行役員 CHRO(Chief Human Resource Officer) 人財・総務本部長の村上久乃氏(撮影:宮崎訓幸

 ベネッセホールディングスの教育事業を主に担うベネッセコーポレーション(以下ベネッセ)は、約3500人の従業員が在籍しており、男女比1対1、リモートワーク率50%、フリーアドレス、全国150カ所のシェアオフィスと先進的な働き方を実現している。

 大企業でありながら、個人や事業の特性に合った柔軟な働き方を維持しつつ、各事業の成果も最大化させているベネッセのワークプレイス戦略やテクノロジー活用とはどのようなものか。ベネッセホールディングス常務執行役員でCHRO、人財・総務本部長の村上久乃氏が語った講演の骨子をお届けする。

※本稿は、Japan Innovation Review主催の「第1回ワークプレイスイノベーションフォーラム」における「組織全体の成果を最大化するワークプレイス戦略と、テクノロジー活用/村上久乃氏」(2024年6月に配信)をもとに制作しています。

先進的な働き方を実現するベネッセグループ

 ベネッセの特徴は、従業員数が約3500人、どの年代においても男女比が1:1であるということが挙げられます。

 他社と比較して社員の女性比率が高く、「育児しながら無理なく働くのが当たり前」といった文化があるのもベネッセの特徴だといえるでしょう。

 男女ともに、育児のために仕事を休んだり、業務を中抜けしたりといったことが、しやすい職場です。育児と仕事を両立しやすいため、女性社員にもいわゆる「M字カーブ」といった現象がみられません。

※M字カーブ:女性の労働人口のトレンドで、結婚や出産でいったん離職する人が増え、育児が一段落してから再び働きだす人が増えるといった現象のこと。折れ線グラフにするとM字を描くことからM字カーブといわれる。