2012年3月のロシア大統領選挙に向けて残り時間は1年を切り、ロシアの次の国家元首が誰になるのかで、内外の多くのメディアや関係者が詮索を繰り返している。(敬称略)

メドベージェフのワンポイントリリーフ説は本当か

ロシア、原発安全性強化案を提案へ 5月のG8首脳会議で

ロシア大統領のドミトリー・メドベージェフ〔AFPBB News

 この話題は、2008年にウラジーミル・プーチン現首相が大統領の任期を全うし、その直前になってドミトリー・メドベージェフを後任の大統領に指名した時から既に始まっていた。

 8年の任期をロシアの経済の復興という成果で飾った実力派のプーチンに比べれば、その副官を務めてきたメドベージェフはいかにもまだ若過ぎ、能力も多くにとって未知数だった。

 そこで、結局はプーチンが憲法の3選禁止規定を変えずに再度大統領になるために彼は担ぎ出されただけ(1期4年で用済みのワンポイントリリーフ)ではないか、という見方が出た。この見方は今に到るまで消えてはいない。

 これに加えて、特に西側の報道は2人に善玉・悪玉の役割を振り付けたがる。親西側でリベラル、そして市場経済主義と新たなロシアへの脱皮を志向するメドベージェフと、ことあるごとに西側に楯突き、国家統制と保守主義の色合いが強い国家資本主義を目指すプーチンとの対立のポンチ画である。

 最近では、ユーコス事件のホドルコフスキー裁判や、北大西洋条約機構(NATO)軍のリビア攻撃を巡っての両者の発言の食い違い、それに国営企業幹部から政府高官を退出させるメドベージェフの方針は、プーチン=KGB出身者一派を大企業から一掃する作戦と見なされて、これらが大きくクローズアップされた。

身勝手すぎるメディアの論評

 ロシアのメディアも負けてはいない。2人が何をやっても選挙に結び付けられ、その観点から書きまくられる。

 メドベージェフの年次教書は、どう読めばそう解釈できるのか分からないのだが、ともかく再選を意識した内容だ、となり、同じことはプーチンが政治・経済の総括演説を議会に対して行っても、福利厚生での政府支出増額を口にすれば、ポピュリストの発想、選挙目当てと評されてしまう。

 そして、プーチンが自らの演説の中でたった2回しかメドベージェフの名前に触れなかった、ということで、やはり2人の仲が割れたのかどうかが最大の焦点となる。

 一昔前に読んだ日本の地方政治に関する某誌の記事の中に、ある地方住民の嘆きが書かれていた。