上海の総合株価指数は2007年10月に6170ポイントという史上最高の水準を記録したのだが、昨年秋に米国で発生した金融危機をきっかけに、2008年12月に1800ポイントにまで暴落した。
しかし、今年に入ってから上海の株価はじわじわと上昇し、3月末現在で約3割の上昇となる2370ポイントに達した。
この株価の上昇ぶりから判断すれば、中国の景気はこれから上向くものと予想される。ただし、ここで見極めなければならないのは、今回の株価上昇が経済のファンダメンタルズ改善に伴うものかどうかである。
筆者は、株価がこのまま右肩上がりで上昇していくとは考えていない。今回は、最近の株価上昇がどんな要因によってもたらされているのかを見ていこう。
景気引き締め政策がもたらした株価暴落
まず、株価が暴落した経緯は次の通りだ。中国政府は2008年10月まで景気引き締め政策を続けていた。そこに世界金融危機が直撃。その結果、2008年第4四半期の経済成長率(実質GDP伸び率)は6.8%と急落し、景気が予想以上に冷え込んだ。
2007年まで5年間も2桁成長を続けてきた中国経済は、2008年には成長率が9%に鈍化し、2009年の成長目標は8%と、10年ぶりの低水準となっている。
経済がここまで減速したのは、明らかに景気引き締め政策の失敗によるものである。景気の雲行きが明らかに怪しくなった2008年7月以降も、景気引き締めを続けていた。その背景には政策決定メカニズムの欠陥がある。
本来ならば、金融政策の策定と実施は人民銀行(中央銀行)の仕事のはずである。だが、現行の「人民銀行法」(中央銀行法)では、「中国人民銀行は国務院の決定に従い、金融政策を実施する」(同法第1条)と規定されている。
金融のプロである人民銀行が金融政策を実施する権限を持たないことが、今回のような失敗につながったと言える。
景気引き締め政策は株価の暴落ももたらした。上海の株価は前述したように、2007年の6170ポイントから2008年末にかけて70%も暴落し、バブル経済が崩壊した。その背景には、2007年までの実力以上の上昇と、行き過ぎた景気引き締め政策による流動性不足がある。
さらに、上場企業の8割が国有企業であり、情報開示が不十分であることも投資家の株離れを招く一因になっている。加えて、証券監督が行き届かないことで、インサイダー取引や株価の操縦などの不正も横行し、投資家の市場への信頼を失墜させた。
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