(C)2023 映画『あつい胸さわぎ』製作委員会
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 がんの最も基本的な治療法である手術。がんの病巣やその周りを取り残しが無いように切除する。悪いものをもとから断ち、完治が見込まれ、一番、安心できる治療法と言えるだろう。

 けれど、切る箇所が問題だ。

 例えば、乳がん。命が第一だと考えて、手術を決めても、胸をどうするか、決めなければならない。全部、摘出してしまうのが最善策かも知れないが、がん細胞だけ取り除き、温存できるなら、そうした方がいいかも。

 とはいえ、胸の形がそのまま、残されるとは限らない。全摘する場合は新たに胸を作る、再建をするのか、しないかという次の選択が待っている。

 経験者の立場から言わせてもらうと、歌手の人が喉を失うほどの重大さはないし、日常に不自由なことはほぼ、ない。それでも自分の一部である胸がなくなる事態はとてつもなく悩ましい。

本人よりも動揺する母

『あつい胸さわぎ』の主人公、千夏は小説家を目指し念願の芸大に合格したばかり。初恋の相手とも再会し、新しい生活にワクワクしている。

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