東日本大震災とともに全世界に衝撃を与えた福島第一原子力発電所の爆発事故は、発生から40日を経ても終息のメドは立ってない。
全世界に衝撃を与えた福島原発爆発事故
福島第一・第二原発が停止し、さらに震災によって火力発電所の一部も稼働を停止したこともあって、4月上旬まで、東京都心を除く関東地方の大部分が「計画停電」の対象となった。
しかし、停電が実施される際に鉄道輸送などで大きな混乱をもたらし、「無計画停電」と揶揄される事態に至った。
そして、電力需要のピークを迎える夏に「無計画停電」が再度起こるのではないかという懸念もあって、日本のエネルギー政策を巡る議論が目下喧しく展開されている。
「脱原発」に向けた動きが活発化
例えば、ソフトバンクの孫正義社長は、「原発依存から脱して自然エネルギーによる発電を推進するための政策提言を行う『自然エネルギー財団』を設立することを明らかにした。
孫氏によると、社長を離れた個人の立場で財団に少なくとも10億円を拠出する」(4月20日付毎日新聞電子版)とのことである。
また、脱原発を訴えて4月10日には高円寺に約1万5000人(4月10日付共同通信)、24日には芝公園に約4500人(4月24日付共同通信)が集まるなど、原子力発電に反対する大衆的な運動も盛り上がりを見せている。
再生可能エネルギーへの「過渡的」発電方法
しかし、こうした「脱原発」に向けた動きが見られる一方で、太陽光や風力といった再生可能エネルギーが、現時点では、発電容量やコストの面で他の発電方法を代替するには不十分であるということも、現実として認識せざるを得ない。
それでは、再生可能エネルギーが発電容量やコストの面で他の発電方法と競合し得る段階に至るまでの間、当面の過渡的な発電方法はどのようなものになるのだろうか。