米サンフランシスコ市からの移転を考えていた米ツイッターに対し、同市が優遇税制を法制化して引き留めたというニュースが話題になっている。

 現在ツイッターは同市のサウスオブマーケット地区に本社を置いているが、業務の拡大に伴って社屋が手狭になっていることや、カリフォルニア州の中で唯一同市にある「給与税」の負担が重すぎることなどを理由に、南隣のブリスベン市に移転することを示唆していた。

2012年に再開発地区に移転

人類初のツイートは何?ツイッター誕生5周年 豆知識いろいろ

サンフランシスコにとどまることが決まったツイッター〔AFPBB News

 ところがツイッターに出ていってほしくない同市は、本社を市内の再開発地区に移転することを条件に、優遇税制措置を提案。両者はこれに同意していたが、このほど市税条例改正案が賛成多数で可決、成立した。

 これを受けてツイッターは4月22日、市が定める再開発地区の1つ、セントラルマーケット地区のマーケットスクエアビルのリース契約を結んだことを明らかにした

 まだ具体的なスケジュールは立てていないが、2012年の半ばをめどに移転する予定という。

 サンフランシスコ市のエドウィン・リー市長も市のウェブサイトで声明を公開し、「ツイッターがサンフランシスコ市にとどまってくれることに感謝する」と述べている。

 「再開発地区で雇用が創出され、税収が伸びると同時に、セントラルマーケット地区が新たな技術革新の集積地になる」としている。

 米ニューヨーク・タイムズによると、同市の「給与税」とは、従業員に課せられるものではなく、会社側が負担する法人税の一種。25万ドル以上の給与支払いがある企業は、毎年、全従業員給与総額の1.5%を市に納めなければならない。

 これには、給与、賞与のほか、ストックオプションで得られる利益も対象になるため、ツイッターのような新規株式公開(IPO)を控えている企業にとっては、将来的に大きな負担になる。