米ルーン(Loon)のバルーン。2016年5月21日にカリフォルニア州マウンテンビューにて。(写真:picture alliance/アフロ)

 ロイター通信によると、米グーグルのグループ会社で空の無線通信基地局事業を手がける米ルーン(Loon)はウガンダ政府から領空飛行の認可を受けたという。

2万メートル上空から電波を発信

 これに先立つ今年(2019年)7月、同社は隣国ケニアの山村地域の住民に提供する4G通信サービスの計画を明らかにし、そのための試験的な商用サービスを始めると発表していた。

 ルーンの事業は、気球を高度2万メートルの成層圏に漂わせ、そこから地上に電波を発信し、インターネット接続を提供するというもの。ウガンダでの飛行認可はこの計画に不可欠だったと同社グローバル通信部門を率いるスコット・コリエル氏は話している。

 ウガンダ上空に浮かぶ複数の気球によってケニアの広域をカバーする通信サービスを提供できるようになるからだという。同社では現在、飛行プランの最終的な詳細をまとめており、早急にケニアでサービスを始めたいとコリエル氏は述べている。

 また、ケニアのインターネットニュースサイト「テックウィーズ」によると、ルーンはタンザニアなどの他の国でも領空飛行の認可取得を目指して政府関係者と協議中。アフリカ大陸のさまざまな国で同様のサービスを提供したい考えだという。

地場の通信事業者と協力

 ルーンの気球は薄いプラスチック素材で作られており、重さは75キログラム。これに同じく計75キログラムの通信機器や太陽光発電パネルなどを搭載できる。成層圏で最大限に膨らんだ際の大きさは縦約24メートル、横約11メートルで、テニスコートとほぼ同じ。複数の気球が仮想的につながり、地上の数千台に上る電子機器に電波を送ることができるという。