東日本大震災の影響で日本からの部品供給が滞ることが懸念され、世界のサプライチェーンに混乱が生じていると米ウォールストリート・ジャーナルが伝えている。(「世界に影響する日本のサプライチェーンリスク」)
世界のメーカーは今、生産量を減らしたり、日本メーカーに代わる供給先を探したりしている。例えば米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は3月21日から小型ピックアップトラックを生産するルイジアナ州シュリーブポート工場の操業を停止する。
また米航空機大手のボーイングは今後部品不足が予想されることからこの状況にどう対処すべきか検討しているという。
同社の次世代中型旅客機「787ドリームライナー」の機体構造の3分の1を日本企業が供給しているほか、製造中の民間航空機の部品は十数社の日本企業によって支えられているという。
影響は国内メーカーの海外工場にも
日本は世界の部品市場で多くのシェア持つ国。半導体の製造に使われるシリコンウエハーのシェアは20%。液晶ディスプレイパネルの主要部品を作るメーカーも数多くある。半導体パッケージ材料のBT樹脂に至っては90%のシェアがある。
このBT樹脂については、三菱ガス化学が16日から製造を停止しているため、台湾のプリント基板メーカー南亜電路板などが、代替品を利用できないか検討している。
携帯電話用半導体メーカーの米クアルコムは17日にBT樹脂の在庫には余裕があり、供給先にも複数のルートがあると発表したが、影響は小さくないようだ。