春のお彼岸も過ぎ、埼玉県の小中学校は明日の3月25日が終了式である。我が家の次男は小学校最初の1年間を無事に終えられそうで、親としては、よく頑張ったと、目一杯ほめてやりたい。

 長男の方は中学校を卒業し、4月から高校生になる。第1志望の県立高校に合格しての進学で、こちらもよく頑張ったとほめてやりたいが、昨今の高校受験の大変さに、私は今頃になってどっと疲れが出ている。

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 埼玉県では県立高校の競争率が軒並み2倍を超える。難関校も、ごく普通の高校も関係なく、2人に1人は不合格を強いられる状況が続いている。

 この不況下だから、親としては授業料は無料、入学金も安く、施設費等もあまりかからない公立高校に進んでくれるに越したことはない。息子もよく勉強していたが、いくら頑張っても入学試験には一発勝負の不安がつきまとう。

 そうした条件下で何がなされるのかといえば、私立高校による囲い込みである。入学試験なしで合格を認める推薦枠が多種多様に用意されていて、私はその柔軟さというか、抜け目のなさというか、クレバーな戦略に驚かされた。

 例えば「単願推薦」の場合、「他の高校は受験せず、必ずその高校に入学する」との約束によって、審査基準をいくらか甘くしてもらえる。