2月にアメリカの運輸省が「トヨタ自動車の急加速問題で電子制御システムに欠陥がなかった」っていう最終報告を発表した。まぁ、これでトヨタ・バッシングも落ち着くだろう。まずは一安心だ。

 しかし、嫉妬ってのは「他人の価値に対する憎悪を伴う羨望である」っていうけど、真面目に努力して成功したのに、嫉妬される側は気分のいいものではないよな。

米運輸長官、新幹線の連結作業に「拍手」 東京駅

レイ・ラフード米運輸長官。2010年5月に来日した際の写真〔AFPBB News

 かつて自動車っていうのはアメリカの象徴そのものだったわけで、それが日本にすっかり追い抜かれたっていうんじゃ、腹の虫が治まらないのは分からないでもない。

 それにしても、アメリカのトヨタに対する仕打ちはひどかった。ラフードっていう運輸長官は2月8日の記者会見で、1年前は議会で「トヨタ車の運転をやめるべきだ」って言ったけど、この人、事実がまるで見えてないんだな。自分の思い込みや感情、勝手な想像でしか物ごとを見ていない。アメリカのマスコミも同じだったけどね。

 ラフードはトヨタを狙い撃ちしたけど、アメリカってのは日本と違ってロビー活動が盛んだから、こういうことが言えるんだよ。

問題がないなんて最初から分かっていたはずだ

 アメリカ議会は公聴会でトヨタの社長を呼びつけて謝罪させて、プリウスのブラックボックスを開けさせてNASAに電子制御システムを徹底的に調べさせ、28万行以上もある電子制御ソフトのコードを詳細に検証させた。世界最高技術の詰まった電子制御の箱は、結局、何の問題もなかった。そんなのは最初から分かりきっていたことだ。