映画やテレビドラマの劇中に、自社の商品やブランドを登場させる「プロダクトプレイスメント」というマーケティング手法があるが、米アップルはこの分野に長けているようだ。
ブランドコンサルティング会社インターブランド傘下のウェブサイト「ブランドチャンネル・ドットコム(Brandchannel.com)」がまとめた調査によると、2010年に米国で劇場公開された人気映画の中に最も多く登場した製品ブランドは「アップル」だった。
日本のブランドは「ソニー」や「プリウス」が登場
ブランドチャンネルは、2010年に週末興行成績で1位になった33本の映画を対象に調査し、その中に591の製品ブランドが登場したことを確認した。
これによると、パソコンの「マック(マッキントッシュ)」やタブレット端末の「アイパッド」、スマートフォンの「アイフォーン」などが登場した映画の数は10本で、アップルは「ナイキ」「シボレー」「フォード」の8本を上回ってトップとなった。
この後、「ソニー」(7本)、「デル」(6本)と続くが、それ以降は1~3本というブランドが大半で、アップルの10本は群を抜いている。
例えばハイテク分野を見ると、「グーグル」「ユーチューブ」「スカイプ」「ノキア」「ブラックベリー」などが入っているがいずれも3本。日本のブランドでは、トヨタ自動車の「プリウス」が4本の映画に登場したが、「ニコン」と「パナソニック」はいずれも3本、韓国勢では「サムスン」と「LG」が3本だった。
「フェイスブック」も2本に登場しているが、そのうちの1本は「ソーシャル・ネットワーク」。これはマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が同サービスを立ち上げるまでを描いた映画なので当然のことだ。
過去10年で人気作品の3分の1に“出演”
2001年から2010年の10年間で見ると、アップルのブランドは興行成績トップ334本の3分の1に当たる112本に登場しており、フォードの144本に次いで2位。コカ・コーラ(96本)や、マクドナルドとナイキ(合計で92本)よりも多く、アップルのパソコンの米国家庭における普及率が15%程度と言われる中、興味深い数値だとブランドチャンネルは言っている。