加速するビジネスのスピードに対応していくには、生産性の高いスピーディーな会議が不可欠だ。しかし、開催頻度が多く長時間の拘束、それにも関わらず結論が出ないなど、とかく不評な日本の会議。非効率な会議は組織のパフォーマンスを下げるばかりか、個人のワークライフバランスにも悪影響を及ぼしている。日本におけるファシリテーションの第一人者として知られる森時彦氏と日本の会議を変えるべく奮闘するバルコの加藤浩典氏、世界の会議を経験した二人が、生産性の低い日本の会議にメスを入れる。

左:森 時彦 氏
チェンジ・マネジメント・コンサルティング代表取締役、工学博士。神戸製鋼所を経てGEに入社し、日本GE役員などの要職を務める。その後、テラダイン日本法人代表取締役、リバーサイド・パートナーズ代表パートナーなどを歴任。現在は、日本M&Aセンターなどの社外取締役などを務めながら、チェンジ・マネジメント・コンサルティング代表取締役として企業の組織活性化やリーダー育成、会議の生産性向上のコンサルタントとして活躍。

右:加藤浩典 氏
バルコ代表取締役社長。ベルギーに本社を構えるバルコは、医療画像、メディア&エンターテイメント、インフラストラクチャー&ユーティリティー、教育&トレーニングなど業務市場向けにソリューションを開発、設計しているグローバル企業。日本では、5年前よりワイヤレスプレゼン機器「ClickShare」を取り扱い、企業の会議をサポートしている。
 

加藤浩典氏(以下、加藤) 大企業では、決裁権者の承認を得るための作戦会議や会議の準備をするための会議など、出ていてむなしくなる会議があります。また、50人、100人と多数の出席者がいる会議では、自分が関連する内容はほんの一部分であり、資料を関係者にメールで共有するだけでいいんじゃないかと思ってしまうような、創造性、生産性に欠ける会議も多いように感じます。

森 時彦氏(以下、森) 世界のいろいろなミーティングやプレゼンテーションを見てきて、日本の会議に対する考え方を根本的に改める時が来ていると感じます。会議は終わったことの報告の場ではなく、意見を出し合って新しいことを決める場、つまりもっと未来志向であるべきだと思います。なのに、資料を読み上げて時間の半分が過ぎ、いざ意見を出し合う頃には時間が足りない。そんな状況に陥ってしまうのは、世界で行われている生産性の高い会議を体験していないからだと思います。

加藤 働き方改革の面からも、無駄な会議はやめる、時間も短くすることが求められています。経営者やマネージャーは、全員参加で活発に意見が交わされ、実りある会議がコンパクトに行われることを理想として描いているのではないでしょうか。

 かつて私は、とあるアメリカ企業で幹部5人ぐらいの会議に参加していました。その会議で、質の高い会議とはこういうものだと強く意識しました。全員が当事者としてそれぞれの立場から主張するのはもちろんですが、同時に5人とも全体を俯瞰していてどうすれば目的を達せられるかを考えながら話しているのです。ちょうどジャズのセッションに似て、奏者は自分のパートを守って楽譜通りに演奏するのではなく、全体の流れを見ながら当意即妙のアレンジを加えて、より意義のあるセッションを目指して演奏しています。これができるのは、全員が共通のゴールを意識して議論のあり方を見ているからです。

生産性の高い会議では資料に触発されて
新しいアイディアが生まれる

加藤 日本では、ゴールすら決めずに会議をしているケースも多く見かけます。生産性の高い会議にするためにはどのように準備すべきでしょうか。

 まずゴールがあることが大前提ですが(笑)、いいアジェンダ(議題)設定が会議の質を決めると思っています。一般論ですが、日本人はアジェンダ設定があまりうまくない。次に重要なことは、アジェンダに沿って議論ができるような資料の準備です。例えば、戦略を議論すべき場で、経理部門の数字が素のままのデータで出てくることがよくありますが、これでは役に立ちません。会議の目的に応じて、データを分析・加工して議論しやすい資料を用意しておくことが必要です。

加藤 そうして生産的な会議を行うために手はずを整え、会議をうまく導いたりするのが、森さんが長く重要性を唱えていらっしゃるファシリテーターの存在ですね。

 そうです。日本の会議には、ゴール意識がない場合が多いですが、その問題もファシリテーターが会議冒頭からゴールをリマインドすることで解決していきます。ファシリテーターは、ゴールに向かって会議を進められるようにアジェンダ設定にも関わりますし、場合によってはそこで使われる資料にも口を出します。そういう準備があってはじめて会議の質を高めることができるのです。

加藤 誰もが理解できる資料の準備については私も経験があります。以前オーストラリアに赴任していた時、言葉がつたなくても伝わるプレゼンテーションを心がけていました。イラストや図を多用し、視覚的に理解できる資料を用意することで、参加者と資料を見ながらインタラクティブに意見を交換できるようにしていました。

 それは素晴らしい経験ですね。私もGEで経験したのは、文字があまりなく一目で理解できるイラストを多用した資料です。よく日本では、スクリーンに映し出された資料を印刷して配布しますが、私は投影する資料と、読んでもらう資料は別に制作します。会議は資料をなぞって発表する場ではなく、準備された資料などから触発されて新しいアイディアが生まれる。そんな化学反応が起こる場所にしないといけません。そのためには投影する資料は文字のほとんどないシンプルなものの方がいいのです。

加藤 典型的な日本人は自己主張しない、押し出しが弱い。「グッドリスナーだが、グッドスピーカーではない」という声を、これまで多国籍の参加者がいる会議で耳にしてきました。

 日本にも優秀な方はたくさんいます。テーマに対する知見が豊富で、意思決定能力も高い。しかし皆が納得するようなアジェンダを設定し、意見を引き出し、まとめ上げていく能力は弱い。これは国際舞台における日本人の大きな課題です。英語には「アサーティブ」と「アグレッシブ」という単語があります。ともに日常語では「積極的」という意味で捉えられている単語ですが、心理学用語では前者は「自分も主張するけれど相手の主張も聴く」というニュアンスを含んでいて、はっきりと区別されています。日本人は、アサーティブなトレーニングを受けておらず、またアグレッシブ過ぎてはいけないというカルチャーもあり、会議でうまく自分の意見を表現ができないんだと思います。

リアルタイム性が議論を活発にする

加藤 インタラクティブな会議にするには、参加者の発言を促したり、抑えたりすることも必要かと思います。森さんは、どのように会議の流れをコントロールしていますか。

 いつもというわけではありませんが、会議の冒頭に3色の付箋を配り、質問はピンク、提案は黄色、その他は緑と分け、休憩時間に書いてもらい、カテゴリーごとでホワイトボードに貼ってもらったりすることがあります。その付箋の内容を見て、ゴールに向かうために必要な要素のものをピックアップし、補足の発言を促すことで、会議の流れをコントロールしています。いったん書き出して共有する。これだけで、議論が随分とインタラクティブなものになります。

加藤 私もこれまで、業務でさまざまな会議に参加し、数々のもどかしい思いをしてきました。そこで、会議をもっとインタラクティブで生産性の高いものにするため、ワイヤレスプレゼン機器「ClickShare(クリックシェア)」を薦めています。これはUSBでパソコンに接続した「ClickShareボタン」を押すだけで、PCの画面をワイヤレスにディスプレイに投影するというものです。最上位機種にはファシリテーターが、誰の資料を映し出すか適切に選択できる機能を搭載しています。これで日本の会議を改革できたらと思っています。

 初めて知りましたが、率直にユニークで便利なツールだと感じました。会議の参加者全員がその場で、自身が用意した資料を映像機器に映し出せますから情報共有が容易かつスピーディーになり、気になった部分はその場で資料を作成してリアルタイムにアップして議論を活性化すると思います。シリコンバレーのベンチャーは会議中に新たなソフトウェアをつくってしまうくらいスピーディーかつクリエイティブにビジネスを進めていますが、それに近いスピード感が期待できます。映し出す資料をファシリテーターがコントロールできる機能は、私の付箋を使った方法と通ずるものがありますね。ゴールへの距離を短くし、生産性を高めることにつながると感じます。

加藤 日本の会議の課題をすべてこれで解決するにはハードルが多いのですが、これが大きな起爆剤になると信じています。本日はありがとうございました。

 

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