米国の市場調査会社ガートナーによると、昨年(2017年)10~12月期における、世界のスマートフォン販売台数(小売りベース)は、約4億800万台となり、1年前から5.6%減少した。
こうして10~12月期のスマートフォン販売台数が、前年実績を下回るのは、同社が統計を取り始めた2004年以降初めてのこと。その要因は、主に2つあるという。
1つは、低価格で品質の良いスマートフォンが十分に市場に出回らなかったことで、新興国市場などでフーチャーフォン(従来型携帯電話)からの買い替えが停滞したこと。
もう1つは、ここ最近、スマートフォン利用者が高性能で高価なスマートフォンを所有するようになっており、全体として買い替え周期が長期化していること。
消費者の高性能端末に対する需要は、依然として高く、その分期待も高まっている。だが、最近はスマートフォンの技術革新が頭打ち状態との指摘もある。ガートナーによると、新規に登場するモデルの進歩はわずかなものにとどまっており、買い替えのメリットが薄れているという。
サムスンは3.6%減、新モデルに期待
昨年10~12月期の小売り販売台数をメーカー別に見ると、台数が最も多かったのは韓国サムスン電子。これに米アップルが次ぎ、このあと、中国ファーウェイ(華為技術)、中国シャオミ(小米科技)、中国オッポ(広東欧珀移動通信)と続いた。
このうち、サムスンの台数は、1年前から3.6%減少。同社販売台数の多くを占めるのは、低・中価格帯の製品だが、この分野の競争が激化しているという。
一方、旗艦モデル「Galaxy S8」シリーズは、ここに来て販売が減速し始めた。ただ、同社はこのほど新たな旗艦モデル「Galaxy S9」シリーズを発表した。このモデルは3月16日に発売される予定だが、これが成功すれば、サムスンの利益や販売価格は改善すると、ガートナーは指摘している。