中国の警察は腐敗しているとよく言われるが、このところ日本でも警察・検察に対する世間の風当たりは強い。12月27日には証拠改竄・隠蔽事件で検事総長が辞職し、神奈川県警の不正経理では前本部長を含む500人以上が処分された。

中国、わいろの取り締まり、多国籍企業も対象に

中国で賄賂などの犯罪で押収された札束〔AFPBB News

 神奈川県警の場合、不正経理の総額は1億1300万円にも上る。私的流用は確認されていないが、本来の予算執行では間に合わない捜査経費や捜査打ち上げに使われた可能性が高いという。典型的な捜査関連の「裏金」だ。

 この種の不正は他県の警察本部でも問題になっていた。永年の慣行だったのかもしれないが、是正されるべきは当然だろう。

 しかし、同じ警察の不正でも、中国における不正は、そのスケール、悪質さ、いずれにおいても日本を圧倒している。

 まずは以下の記事を読んでいただきたい。

マフィアのボスになった元警察官

 12月17日付山西晩報は、山西省公安庁が1年の内偵を経て、黒社会性質組織(暴力団)の頭目だった同省陽泉市公安局の元巡警(パトロール)隊長・關建軍(41歳)とその弟關建民ら計45人を賭博、恐喝、覚醒剤、売春などの組織暴力犯罪容疑で逮捕した、と報じた。

 報道によれば、陽泉市で秘密カジノ・風俗店を経営していた關兄弟グループは逮捕時に、北京を含む27の不動産(約1億元=15億円相当)、ロールスロイスを含む三十数台の高級車、2億6000万元(39億円)の現金などを保有していたそうだ。

 同グループはサイレンサー付き拳銃、ライフル、刀剣類を含む大量の武器を所持し、石炭の豊富な山西省で鉱山を7つも騙し取っていた。

 何のことはない、市民を守るべき警察の幹部が暴力団のボスとなり、捜査費用捻出どころか、違法な私的蓄財を重ねていたというわけである。