英国の市場調査会社、カナリスがまとめた、インドのスマートフォン市場レポートによると、今年(2017年)7~9月期における、同国のスマートフォン出荷台数は1年前から23%増加し、4000万台を若干上回った。
年後半はさらに躍進か
世界における国別スマートフォン出荷台数は、これまで中国が最も多く、これに米国が次いでおり、インドは出荷台数ベースで世界3位のスマートフォン市場だった。しかし、この7~9月期におけるインドの台数は米国を上回り、同国はついに世界2位の市場になった。
インドでは今年7月、それまで州ごとに異なる税目で課されてきた複雑な間接税が廃止され、それに代わって全国統一の物品サービス税(GST)が導入された。
これにより、州をまたがる取引が容易になり、流通業者や小売業者は製品を広範囲に提供できるようになったと、カナリスのアナリスト、ルシャブ・ドーシー氏は指摘している。「インドでは、高額紙幣の廃止やGST導入に伴う混乱がしばらくあったが、今やそれは過去のものになりつつある。7~9月期の同国スマートフォン市場は安定化の兆しを見せたが、年後半のインド経済はさらに力強いものになる」とドーシー氏は述べている。
サムスンが首位維持するも、シャオミが猛追
7~9月期の出荷台数をメーカー別に見ると、首位は韓国サムスン電子で、台数は1年前から約30%増の940万台だった。インドの経済紙エコノミック・タイムズによると、サムスンは4年半にわたり、インドのスマートフォン市場で首位の座を維持している。
しかし、今、サムスンを追い抜く勢いで中国シャオミ(小米科技)が台数を伸ばしている。その7~9月期の出荷台数は、サムスンと僅差の920万台。カナリスによると、シャオミの台数は1年前から290%増加している。シャオミの新市場開拓戦略の効果は、今後も続くと見られ、今後数四半期のうちに、サムスンを追い抜くだろうと、ドーシー氏は予測している。