チャルマーズ・ジョンソン(Chalmers Johnson)が亡くなり、追悼文を散見する。日米関係を少なくも20年以上見た人なら、何がしか感慨を持たずにおれまい。

 1982年に出た主著MITI and the Japanese Miracle(邦訳『通産省と日本の奇跡』)は、米国と英語圏の対日観に決定的影響を与えた1冊だった。

 11月20日土曜日午後1時(現地時間)、カリフォルニア州サンディエゴ近郊の自宅で息を引き取ったと、長年連れ添ったSheila JohnsonがJapan Policy Research Institute(JPRI)のホームページで伝えている。享年79歳。

リビジョニスト4人組

 米ビジネスウィーク誌は1989年8月7日号に「日本再考(Rethinking Japan: The New Harder Line toward Tokyo)」と題した特集(Bob Neff東京支局長筆)を掲げ、いわゆるリビジョニスト(修正論者)4人組を世に知らしめた。

 アトランティック誌のジェームズ・ファローズ、オランダ人批評家カレル・ヴァン・ウォルフレン、対日通商交渉に関わった経験の持ち主クライド・プレストウィッツ、加えるに、ジョンソンの4人だった。

 特集はアトランティック誌同年5月号に載った別の記事が触発したもので、それがファローズのエッセイ「日本封じ込め」だった。まだ牧歌的時代のこと、アトランティックという月刊誌の存在をこの記事で初めて知った人が、当時は少なくなかった。

 ちなみに同じ記事を、今はネット上で読むことができる。

日本封じ込め論

 Containing Japanと題したメインタイトルに続く副題は、日米貿易摩擦が沸点に近づきつつあった当時の論調をよく表していた。

 「Japan's one-sided trading will make the U.S.-Japanese partnership impossible to sustain—unless we impose limits on its economy.」

 というもので、一方的に黒字を溜め込む日本の経済行動に制約を課さない限り、ワシントンの主流派が重視すると称する対日安全保障関係それ自体の耐久力に、いずれは影響が及ぶと主張したものだ。