今最も急成長しており、大きな利益も上げている米グルーポン(Groupon)という企業を米グーグルが買収すべく交渉を行っていると米国の複数のメディアが伝えている。
このグルーポンという会社、その社名は「グループ」と「クーポン」を組み合わせた造語で「クーポン共同購入」という意味がある。
飲食店や宿泊施設などのクーポンを期間限定でネット販売する「フラッシュマーケティング」を行っている会社だ。クーポン(割引券)という言葉を使っているが無料で配布されるわけではないため「商品券」と言った方が分かりやすいかもしれない。
このサービス、客側のメリットは普段あまり聞かないような高い割引率でサービスを受けられること。店舗側のメリットは、客足の鈍る曜日や時間帯など、特定の日時に的を絞った集客が可能になるところ。クーポンは最低購入数や上限数が決まっているためリスクもない。
一定の数の申し込みがなければ販売はされず、その場合は仕入れや人材確保の必要がない。グルーポンへの支払いも発生しない。また通常の紙のクーポンとは異なり、あらかじめ提供数が決まっている。
これに加え、顧客が既に支払いを済ませている点が店側の最大のメリットになっている。サービスの提供日時が設定されているため、万一客が現れなくても店が損をすることがないのだ。だからこそ高い割引率が実現できると言ってよいだろう。
グルーポン、評価額は13億5000万ドル
このグルーポンがサービスを開始したのは2008年の11月。本社は米国シカゴだが、今や北米各地や欧州、アジアと進出し、今年8月には日本のクーポン共同購入サイト「Q:pod(クーポッド)」を買収して、日本法人を設立した。同社がこれまで集めた投資金額は17億5000万ドルで、今年4月には同社の評価額が13億5000万ドルになったと報じられた。
同社の北米における2010年の売り上げは3億ドル、2011年には世界規模で5億ドルにまで達すると見られている。米ウォールストリート・ジャーナルによると、2010年の初めに200人だった同社の従業員数は今では1500人。
利益率が高く、リスクも少ない、大きな資金も必要ないこの業態には新規参入業者が多く、グルーポンは、そのブランド認知度やシェア拡大を狙って急成長する必要があると考えている。