マックルーマーズや9to5Macなどの米メディア報道によると、米アップルは「iPhone」などの同社製品のデザインを刷新するために、新たな生体認証システムを開発しているという。
光学式の指紋認証センサー
これは、アップル製品の市場動向やサプライチェーン情報に詳しく、新製品や発売時期を当ててきたことで知られる台湾KGI証券のアナリスト、ミン・チー・クオ氏が1月21日に投資家向けに出した調査ノートで報告したもの。
それによると、アップルが将来市場投入するiPhoneなどには、ディスプレーが本体前面すべてを覆うフルスクリーン(ベゼルレス)デザインが採用される見通し。
そのためには、現在本体前面のホームボタンに組み込まれている指紋認証機能「Touch ID」のセンサーを、ディスプレーパネル下部に配置しなければならない。
しかしアップルがiPhoneなどに採用している静電容量方式のセンサーではそうすることが困難。結果としてこのセンサーを用いる限り、フルスクリーンデザインは実現しないという。
そこでアップルはディスプレーパネル下に配置することができる光学式指紋認証センサーの採用を検討している。一方で、アップルは将来のiPhoneでフレキシブルOLED(有機EL)ディスプレーを採用するとクオ氏は予測している。
しかし光学式指紋認証センサーでは、フレキシブルOLEDディスプレーで生じる信号干渉の問題を解決しなければならず、量産体制を構築するのが困難、という別の問題が生じる。
こうしたことから、アップルがこれらの技術を開発するにはしばらく時間がかかり、「iPhone 8」の名称で発売されると噂される今年の新モデルには光学式指紋認証センサーが搭載されない可能性があると、同氏は報告している。