好調維持するアジアの新聞業界、静かに迫る衰退のきざし

香港で販売されている新聞各紙〔AFPBB News

 米国の市場調査会社、eマーケーターがこのほどまとめたアジア諸国における消費者メディア利用に関する調査によると、日本、韓国、中国、インドの4カ国では、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ネット(ソーシャルメディア、ビデオ、ネットラジオなど)といった主要メディアに成人(18歳以上)が1日に費やす時間は、日本が平均6時間58分で最も長いという。

日本はアジアで最長だが米国の6割弱

 これは2016年における推計値。これによると、日本に次いでメディア利用時間が長いのは韓国で同6時間51分。このあと中国の同6時間9分、インドの同3時間36分が続くという。

 eマーケーターは、1人の利用者が複数のメディアに同時に接している場合、それらの利用時間を合計し、メディア利用時間として算出している。

 例えばテレビを1時間見ながら、通話以外でスマートフォンを1時間利用した場合、その利用者のメディア利用時間は2時間になる。

 そして興味深いのは、アジア諸国ではこうしたメディア利用時間がまだまだ伸びていくと同社が予測している点だ。

 というのも、米国や西欧はこれらアジアの国よりもメディア利用が多く、例えば米国における成人の1日当たりメディア利用時間は平均12時間5分と、アジア4カ国のトップである日本の約1.7倍になっている。