米アップルには「Titan(タイタン)」と呼ばれるEV(電気自動車)の開発計画があると言われているが、米ブルームバーグがこのほど伝えたニュースによると、アップルのこの計画は今、岐路に立たされているという。
リーダーシップの流動
今年に入ってこのプロジェクトから人員が相次ぎ抜けており、その人数は数百人規模に上るという。
またリーダーシップの流動も続いているほか、部品調達はスマートフォンやパソコンのようにはうまくいっていないという。こうしたことからこのTitanプロジェクトは今、発足当初とは異なる様相を呈しているとブルームバーグは伝えている。
Titanプロジェクトが発足したのは2014年のこと。その当時は米フォード・モーター出身のエンジニアで、アップルで「iPod」や「iPhone」の開発に携わったスティーブ・ザデスキー氏がプロジェクトを率いていた。
このプロジェクトの目標は、2020年までにEVの生産を始めるというものだった。しかし2015年の終わりごろから方向性を巡ってマネージャー間で意見の食い違いがあり、ザデスキー氏は今年初めにその役職を退いた。
またアップルのベテランマネージャーで、ソフトウエアチームを率いていたジョン・ライト氏もTitanプロジェクトから外れた。
そうした中、今年7月、ザデスキー氏の後任として、かつてアップルでハードウエアエンジニアリング部門を率いていたボブ・マンズフィールド氏がTitanの責任者に就任。
同氏は、数百人に上るTitanプロジェクトの従業員に対し、当面はEVそのものを開発するのではなく、自律走行システムの技術を開発することに注力するという戦略の変更を発表した。