【連載第9回(最終回)】スマートフォン、SNSの普及に加え、測位技術の発展、さらにはドローンなどの新技術出現によって「位置情報ビジネス」が飛躍的に進化している。そう、世界は今「位置情報3.0」時代に突入しているのだ。 本連載では位置情報を活用したビジネスを取り囲む様々なテクノロジーの現状を大前研一氏が解説します。
アイドルエコノミーとの組み合わせで可能性は無限に
事業を考えるにあたり、もうひとつポイントがあります。
それは「アイドルエコノミー」です。“空きリソース”を活用するアイドルエコノミーに、位置情報が組み合わされば、ビジネスの可能性はどこまでも広がります。
すでに位置情報を活用するアイドルエコノミー企業はさまざまに存在します(図-32)。
Airbnbは、どこに宿泊できるか、近くの空き部屋を探す。
Uberは、付近にいるハイヤーやタクシーを呼び出す。
Spokefly はサービスに登録されている自転車のうち、近くに駐輪してあり誰も使っていないものをアプリから30分前に予約し、カギを解錠する。
akippa は、今いる場所の近隣で利用可能なパーキングを表示する。どの企業のサービスもすべて、位置情報によって、そこにいる「人」と空いているものとを繋いでいます。そして空き状況によって価格を下げるといったことをしています。
こうした事例を鑑みると、位置情報とアイドルエコノミーを組み合わせた商いは、まさに無限です。