事前の報道のとおり、米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)はインドを訪れ、同国のナレンドラ・モディ首相と会談した。
インド首相官邸のウェブサイトによると、両氏は5月21日に会い、アップルのインド事業について意見交換したという。
クックCEOはインド事業の計画について情報共有し、「iPhone」など同社製品の現地生産の可能性や、小売り事業についてモディ首相に話した。
一方モディ首相は、同国民のデジタル化を推進する取り組み「デジタル・インディア」について、アップルからの支援を求めたという。
会談は円満だったが・・・
海外のメディアや通信社(米ウォールストリート・ジャーナル、米ブルームバーグなど)によると、今回の両氏の会談は円満に終了した。
例えば、今回のクックCEOの4日間のインド訪問について、モディ首相はその後自身のツイッターアカウントへの投稿で感謝の意を表した。クック氏も同じくツイッターへの投稿で謝辞を述べ、「もう次回のインド訪問が楽しみになっています」とメッセージを添えた。
ただクックCEOのインド訪問は、アップルが同国市場で置かれている現状をあらためて浮き彫りにしたとも言われている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、これまでアップルの成長を支えてきた中国市場では、iPhoneの販売が減速している。そうした中、インドは今後、中国に次ぐ世界第2位のスマートフォン市場になると期待されている。
その一方で、iPhoneの販売価格は500ドル超と高額で、同国消費者の平均年収のほぼ3分の1に上る。同国では購入されるスマートフォンの7割が150ドル未満の低価格端末となっており、iPhoneのシェアはわずか2.7%にとどまっている。