中国、ノルウェー大使に抗議 劉氏へのノーベル平和賞めぐり

劉暁波氏の釈放を求めて香港でデモする活動家〔AFPBB News

 10月8日に劉暁波氏のノーベル平和賞受賞が決まった。予想通り、中国側の反発は激烈なものだった。

 12日、外交部報道局長は「このような方法で中国の政治制度を変えようとしても、それは計算違いだ」と強く批判した。ノルウェーに対する報復と嫌がらせは12月まで続くだろう。

 中国の「制度を変えよう」とする声は、実は足元の中国国内からも上がり始めている。受賞決定からわずか3日後の11日に中国共産党の元幹部ら23人が連名で、憲法に規定された言論・出版などの自由実現を求める「公開書簡」をインターネット上で発表したからだ。

 オリジナルは発表直後に当局によって削除されたようだが、全文は12日の香港「亜州週刊」電子版で今でも読める。

 発起人は23人から瞬く間に500人となり、13日現在、これに賛同する署名が1万人分も集まっているそうだ。今中国ウォッチャーの間では、この「公開書簡」がちょっとした話題になっている。

発起人は古参党幹部

 同書簡の最大の特徴は、執筆者が劉暁波氏のような「民主活動家」ではないことだ。

 発起人には毛沢東主席の元秘書で党中央組織部常務副部長だった李鋭氏を筆頭に、元人民日報社長、元新華社副社長、元中央宣伝部新聞局長など報道分野の錚々たる元党幹部が名を連ねている。

 しかも宛先は全人代(全国人民代表大会)常務委員会だ。昔報道を厳しく規制する側にいた老人たちが「何を今さら」という気もするが、形式的には党長老格の全人大「代表」23人が憲法第35条の言論・出版の自由の実施を常務委員会に建議している。

 簡単に弾圧などできないだろう。