国会前で安保法案反対デモ

日本の国会前で行われた安全保障関連法案に反対する抗議デモ。その様子を中国人はどのように見ていたのか(2015年9月18日撮影)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI〔AFPBB News

 中国で安倍首相はいまや独裁者扱いだ。「日本の軍国主義復興の父」──それが安倍首相に貼られたレッテルだ。

 中国のメディアが矛先を向けたのは日本の政治であり「民主主義の限界」である。中国流の専制国家体制を信奉し西側の民主主義に懐疑的な学者たちは、この機に乗じて「多党制の政治が民主主義だというが、それは偽りだ」と民主政治への批判を展開した。

 安倍政権による法案採決を見て、中国人は「日本は民主国家と言えるのか」と非難の声をあげた。だがその一方で、今回の日本の政局の混乱は、中国人が「民主政治とは何か」を考えるきっかけを提供することにもなった。

 安保関連法案の是非ではなく、可決に至る「過程」を見て「やはり日本は民主国家だ」と納得した中国人も少なくなかったのである。

デモ隊に日本の民主主義を見た中国人

 8月末、日本の国会議事堂前に安保法案通過に抗議するデモ隊が押し寄せた。十万人規模(主催者側発表数)とも言われる抗議活動の様子は中国でも報じられ、注目を集めた。