米グーグルは9月3日、米テキサス州の司法当局が同社の検索サービスに関する商慣行について調査を進めていることを明らかにした。

 検索結果ページで、グーグルが不当に競合企業の表示順位を引き下げているとする苦情があり、州当局がこれに関する調査を始めると同州の司法長官事務局がグーグルに連絡した。

「当局の要請には快く応じる」とグーグル

グーグル、検索語のスペルミス訂正と提案機能を強化

テキサス州当局、グーグルに対し調査を開始〔AFPBB News

 グーグルのドン・ハリソン次席法務顧問はこれについて、「当社検索エンジンにおけるランキング表示の公平性については、度々質問されることだ」としたうえで、「しかし当社はユーザーに最大の恩恵をもたらすサービスを運営していると確信している。司法当局の要請には快く応じていきたい」と述べている。

 グーグルによると、州当局に苦情を申し立てたのは商品価格比較サイトの英ファウンデム、米マイトリガーズ、企業情報の検索策サービスを手がける米トレードコメットの3社。このうちファウンデムは、今年2月に欧州委員会にも苦情を申し立てている。

 グーグルは2月時点でこのファウンデムなどが米マイクロソフト傘下の企業だとし、この問題はマイクロソフトによって引き起こされたと反論していた。今回も同様の主張を行っている。

 グーグルのハリソン次席法務顧問は同社公式ブログの中で、ファウンデムがマイクロソフト関連の業界団体に支援されている企業であること、また価格比較サイト2社が雇っている弁護士がマイクロソフトの弁護士と同一人物などと指摘している。

 米ウォールストリート・ジャーナルによると、このグーグルの主張に対しマイトリガーズなどは「弁護士のことなどを引き合いに出すなど、グーグルは自社の問題から関心をそらそうとしている」と反論。

 「被害に遭っている企業はほかにも多くあるだろう。我々はいじめにも似たグーグルの反競争的行為を懸念している。法定で争っていくつもりだ」とマイトリガーズの広報担当者は述べている。

 グーグルの主張は一貫して「ユーザー第一主義で検索精度や使い勝手や高めていくと、当然に上位に表示されないウェブサイトが出てくる」というもの。

 ハリソン次席法務顧問はブログで「我々のサイトでは小売大手の米アマゾン・ドットコムや旅行予約サイトのエクスペディアが常に上位になる。彼らが品質の高いサービスを提供しているからだ」と説明している。