韓国の朴槿恵(パク・クネ=1952年生)大統領が就任してから2015年2月25日で満2年が経過した。

 2周年を翌日に控えた2月24日、大統領は韓国の財閥・大企業首脳たちを青瓦台(大統領府)に招いて昼食会を開いた。そこで大統領の口から出てきた要請は、意外な言葉だった。

1年半ぶりの財閥首脳との懇談会

韓国の朴大統領が新首相を指名、支持率は就任後最低に

朴槿恵(パク・クネ)大統領が就任してから丸2年が経った〔AFPBB News

 この日の昼食会は、これまでにあまり例がないものとなった。

 最近の韓国の大統領は、財閥首脳を青瓦台に招いて懇談することはあまりない。朴槿恵大統領がこうした会合を開いたのも、2013年8月末以来、1年半ぶりのことだった。

 会合自体も珍しいが、その目的も一風変わっていた。大統領が財閥首脳を招くとなると、その目的と言えば、「投資と雇用の拡大」の要望と決まっていた。

 財閥首脳は、あらかじめ準備した「投資・雇用拡大計画」を大統領の前で発表し、併せて、「そのためにも政府の支援をお願いしたい」として、規制緩和などに言及するのがお決まりのパターンだった。

 翌日の新聞には、主要財閥の投資・雇用拡大計画の一覧表が大きく掲載される。もう何回もこうした会合が繰り返されてきた。だが、その実効性に対する疑問も上がっていた。また、大統領が財閥首脳を「呼びつける」のも、「親しく懇談する」のも、何となく、世論の受けが良くない・・・。

昼食会に顔をそろえた錚々たるメンバー、「3代目経営者」も初参加

 こうした事情を配慮したのだろうか。今回の会合は、韓国メセナ協会設立20周年を契機に、文化やスポーツ活動の支援に積極的な企業、地方の経済活性化に積極的な大企業を招待して、さらに活発な活動を促すことが表面的な目的となった。

 1年半前の昼食会は、経済活動が主要なテーマだった。招かれたのも、10大財閥の会長に限られていた。今回は、ぐっと範囲を広げて21人が参加した。