米IDCが12月1日までにまとめた最新のリポートによると、今年のスマートフォン世界出荷台数は12億9000万台になる見通しだ。スマートフォンの年間出荷台数は昨年初めて10億台の大台を突破し、一昨年前に比べた伸び率は約39%と高水準だった。ところが今年の伸び率は26.3%に低下するという。
スマホ市場の成長鈍化、伸び率1ケタ台に
またIDCは2015年の年間出荷台数が同12.2%増の14億台に、4年後の2018年には19億台に達すると見ている。
これは一見して好調のように思える。だが、IDCが予測する2014年から2018年までの年平均成長率は9.8%で、かつての伸び率に比べて低い水準だ。
また出荷台数に平均販売価格を乗じて推計した売上金額を見ると状況はさらに悪い。IDCによると2014年の売上金額は推計で3829億ドル。これが2018年には4518億ドルになるというが、その年平均成長率はわずか4.2%にとどまる見通しだ。
同社は、「スマートフォンはすでに広く普及しており、今後も価格下落が進むことから、市場の成長速度は減速する」と説明している。
Androidが10億台の大台に
ところで、2014年における出荷台数推計を基本ソフト(OS)別に見ると、米グーグルの「アンドロイド(Android)」が10億6000万台となり、初めて10億ドルの大台に乗ると見られている。アンドロイド端末の市場全体に占める比率(シェア)は82.3%に達するという。
これに対し、米アップルの「iOS」の出荷台数は1億7800万台で、そのシェアは13.8%。また米マイクロソフトの「ウィンドウズフォン」は3500万台で、シェアは2.7%になると見ている。
このうち、アンドロイドとiOSのシェアは、2018年にそれぞれ80.0%と12.8%に低下し、ウィンドウズフォンは5.6%に拡大する見通しだ(図)。