海外メディアの報道によると、韓国サムスン電子は来年製造・販売するスマートフォンのモデル数を、25%~30%減らす計画だという。
11月17日に米ニューヨークで開催した投資家向けイベントで、IR担当上級副社長のロバート・イ氏が明らかにした。またその翌日には、広報担当者がイ氏の発言を確認したと、米ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
その目的はスマートフォンの製造にかかるコストの削減。同社は10月末に行った決算発表の電話会見で、低・中価格帯製品の共通部品を増やし、スケールメリットを生かすと述べていた。
ウォールストリート・ジャーナルによると、サムスンはこれに加えて製品種を減らすことで、在庫やサプライチェーン(部品、部材の供給網)をより効率的に管理し、コスト削減を目指すという。
中国メーカー対抗へ次の一手
同社の製品戦略は「ショットガン方式」と言われている。低価格帯から高価格帯まで多品種を同時投入し、広範な市場セグメントをカバーするというスタイルだ。この戦略が、世界のスマートフォン市場における同社の地位確立に寄与したと言われている。
米IDCによると、今年7~9月期における世界スマートフォン市場のメーカー別出荷台数シェアは、サムスンが23.8%で首位を維持した。
だが、ここ最近は変化が表れており、同社は戦略の変更に迫られている。7~9月におけるサムスンの出荷台数は、1年前から8.2減少。上位5社の中で前年割れとなったのは同社だけだった。
英フィナンシャル・タイムズによると、その背景には、シャオミ(小米科技)、ファーウェイ(華為技術)、レノボ・グループ(聯想集団)といった、中国の低・中価格端末メーカーの台頭がある。