国内最大手のチャイナ・モバイル、アジアと中南米に進出 - 中国

チャイナ・モバイルの加入者数は3億人を超える。写真は人形と自分を携帯カメラで写している四川省の女性〔AFPBB News

 中国国営の新華社通信が携帯電話最大手の中国移動(チャイナ・モバイル)とインターネット検索エンジンサービスの新会社を設立することが明らかになった。両社が共同設立に関して枠組み合意したと新華社が12日に伝えた

 これにより両社は「搜索引擎新媒体国際伝播公司」(英語名:Search Engine New Media International Communications Co.)と呼ぶ新会社を設立することになる。

 新華社の周錫生副社長は調印式で、「強力な情報統合能力を持つ検索エンジンは、世論に影響を及ぼすうえで重要な役割を担う」とし、新会社の目的について「情報の安全性の確保と、健全で秩序正しい新たなメディア産業を推進していくという政府の取り組みの一環」と説明した。

 現時点で会社の設立時期やサービス開始時期について明らかにしていないが、周副社長は「最先端の検索技術を活用すると同時に、世界最高クラスの人材を確保し、国内外の顧客に対し品質の高いサービスを提供する」と述べたと新華社は伝えている。

対外情報発信を加速させる政府系企業

「メディア王」マードック氏、中国メディア市場の将来性に期待

中国市場に期待するニューズ・コーポレーションのルパート・マードック氏だったが・・・〔AFPBB News

 この新華社の報道を受け、欧米のメディアがさっそく反応している。英フィナンシャル・タイムズは、両社の取り組みは、商業的な影響力よりも政治的な影響力の方がはるかに大きく、これは中国政府のプロパガンダ政策だと報じている。

 中国国内のネット社会における反政府的な意見を抑制することが狙いで、そのために国内最大のメディアグループを利用する動きだと指摘している。

 また政府系企業による対外情報発信に向けた動きが顕著になってきていることもここ最近の変化だと伝えている。

 例えば、新華社は今年になって、英語放送のテレビネットワークを立ち上げている。また8月の第2週には政府系メディア関連の投資ファンドが、米ニューズ・コーポレーションの中国におけるテレビ3局の経営権を取得することで合意した。